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誰のためでもなく

FujifilmX-T1と56mmf1.2APD試用レポート その2

 さて、それではカメラ本体について語りたい。

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まず全体像。

40歳以上の人ならとくにツボなのではなかろうか?
フイルムカメラ時代の一眼レフ然とした、金属の塊感と手のひらにすっぽり収まるサイズ。
おまけに単焦点レンズをつけると小憎らしいくらいに80'Sな一眼レフっぽい。

ネットなどで見るとペンタ部のfujjifilmロゴが超絶ダサく感じたが、実際に見てみると悪くない。
まあ、発売して2年もたっているいまさらってかんじだけどね、こんなこと言うの。

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さて、このカメラのウリの軍艦部。
フイルムの巻き戻しノブのあったところにこのカメラはISO感度設定ダイヤルをマウントしている。
まあ、あれば便利だろうけど、デジタル一眼レフをほぼ10年使っている身としては背面液晶から階層を分け入ってISO感度を設定することにあまりに慣れているので正直メリットは感じなかった。
そもそもデジタルカメラの良さとしてISOオートという機能をふるに活用しているので、ISOを変更するというアクションはあまり頻繁に行わない人が多いのではないかな?

さて、その部分と軸を同じくして撮影モードを設定できる。これはまあフツーのデジカメと一緒。
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連射、単射、ブラケットがここにあるのは正直戸惑ったね。
X100Tを使っているので、ブラケットはドライブボタンで背面から設定するものだと指にしみついているから。

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でもってAPDレンズっぽい部分。
なんか、前景、背景ボケをなだらかにするためのフィルターが入っているため実行f値はオレンジの部分で表示されているところらしい。
今では懐かしいレンズ鏡胴部分の絞りリング。これはすこぶる便利だった。

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でもって最終的にX-T1を1泊2日使用してみた感想。

ダメな点
・やはりAFは弱い(遅い。)
・EVFの遅延(だいぶ良くなってるけど)
・ISOダイヤルははっきり言って邪魔。あんな「一等地」にはほかの機能を盛り込むべき。
・背面十字キーは、噂にたがわず超絶使いづらい。
良い点
・小さく軽い。正直ニコンD4sを持ち出すのには最近うんざりしている。若干の腱鞘炎がさらにそれを加速している。
・背面液晶がキレイ、見やすい。これでフレーミング、ピントを合わせることも多かった。
・EVFはほかのデジタルカメラと比べてもトップクラスの大きさ、見やすさ。誤解を恐れずに言えばOVFのようなおおらかさを感じる(しかしOVFには及ばないが)。
・シャッターフィーリング。Pro1、E1と使ったが、あのアルミ箔を気づかず奥歯で噛んでしまった「ギシっ」という感覚ではなく、カリっ、という感じは好感が持てる。

ついでに56mmf1.2APDについて
ダメな点
・自分の腕のせいかもしれないが、ボケ味は期待したほどではない。フルサイズと比べるのは酷か(しかしフジにはフルサイズへ移行してほしくはないが)。

良い点
・なんといってもサイズ。コシナの作るフルサイズ用のプラナー50mmf1.4くらいのサイズで中望遠。しかも1.2の明るさは素晴らしい。
・解放から使える。とくに遠景を開放で撮ることが楽しい。きっちり解像してくれる。

個人的な56mmの感想。
そもそも「35mm換算○○mm」などという表現はあまりあてにならない。
X-T1に56mmをつけた画角は、35mmフルサイズに85mmレンズをつけて撮影するより自由度が高いと感じる。
自由度が高い、というのは、正直中望遠だとスナップでも限られた写真しか撮れない(それは自分の腕のなさ、という話もある)が、56mmだとスナップするのが楽しかった。よく35mm=両目。50mm=片目で見た画角、なんていうけど、56mmとX-T1は自分の目と対象物の距離とがイコールに感じられて、割と素直にスナップできたような気がする。

最後になるが、このX-T1をどうとらえるか?について
・基本的には単焦点レンズと使うカメラにしたい
・動きモノについてはちょっと様子見
・ニコンから完全にスイッチできるレベルにはまだないが、手元にあって単焦点レンズをつけて遊ぶのはとても楽しいカメラ。ボディもマグネシウムの剛性感があり、昔のソリッドなフイルム一眼レフをほうふつとさせる。
・しかしこれ一台で運動会やなんやかやを撮る、というのはかなりマニアックな(もしくは写真にとても造詣が深く、撮影が上手)人だろう(つまり人を選ぶカメラ)。
APSセンサーカメラだとニコンのD7200ボディのほうがX-T1より安い。
というか、T1は値段設定がかなり強気である。これはフジフイルムの己の製品に対する絶対の自信のあらわれだと思うが、本当に商売を考えると価格という要素はかなり重要である。
また、フジフイルムのレンズは写真をかじった人ならその良さがわかるところだろうけど、大体のユーザーはニコンやキャノンのエントリーモデル(キットレンズ付き)で事足りてしまうことを考えると、フジはカメラ事業をニッチセグメントに向けて展開しているということになるだろう。

個人的には非常にほしいカメラであるが、かといって今のニコンボディ2台体制を崩してまで(つまりどっちか一台を下取りに出してT1を買う)ということには踏み切れない。

それでももしフジフイルムのカメラでシステムを組むとしたら
・T1 2台(120,000×2=240,000円)
・16mmf1.4(110,000円)
・14mmf2.8(78,000円)
・35mmf2(45,000円)
・56mmf1・2APD(150,000円)
・50-140mmf2.8(160,000円)
計783,000円だな。

まあ、フルサイズよりは安いのか。

今回のレンタル試用で撮った中でお気に入りの一枚を置いて久しぶりのエントリーを終えたいと思う。
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by hohoho-bw | 2015-11-29 12:57