好きだった場所
まだビール=キリンやアサヒなど国産のものしか知らなかったときに、ギネスやバス、ハートランドのたる生のうまさを教えてくれた店が札幌にあった。
テーブル席もあったけど、木のカウンターに座るのが好きだった。
腹のちょっと出た、アロハ姿のちょび髭オーナーがいい味。カウンターには外国人(アジア人ではなく西洋人ね)がピッチャーのバスを昼間っからやりながら、ペーパーバックを読んでいた。
汁のないラーメン・油そばってのもこの店で知った。ビールに合うんだけどカロリー激高。まあ、そのころは30歳そこそこなので今より基礎代謝があったからよかったんだけどね。
その店、アロハちょび髭オーナーはもう権利売ったのかな?この間久しぶりに行ったらいなかった。
夕方5時30分。客であふれる前の時間。自意識過剰のガキ店員たちがフルボリュームでバカ話を繰り広げていた。客がビールを飲んでいるのに。
トイレも汚く、カウンターもべとつき。
札幌で好きだった場所は、どんどんなくなっていく。