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誰のためでもなく

三脚考

写真を始めるとまず、上手く撮れない理由をカメラ自体やレンズに求めがちです。自分もそう。

曰く「もっと画素数の大きいカメラであれば、、、」「もっと明るいレンズであれば、、、」

確かにポートレートや屋内スポーツならそのとおりです。
が、風景写真であればあまり関係ない、とは言いすぎですが少なくともその投資額でドラスティックに今までいまいちだった写真が変更することはありません。

自戒を込めてですが、やはり写真は撮る前に「被写体をよく見る」ことで8割は決定すると思います。

だから、「この被写体には魅力を感じないな」と思うのであれば撮らないという選択もあるわけです。

それでも自分の写真をもっとよくしたい、というのであれば、それはもう一度「光の読み方」と「フレーミング」を考慮すべきでしょう。
前者についてはまた機会があれば話したいのですが今回はとりわけ即効性の高い「フレーミング」の話。

初心者はアイレベルで漫然と撮っていて、ちょっとカメラがわかってくると広角でぐっと被写体によったり、バリアングルで思いっきりローアングルなどで画面構成に変化をつけることを覚えます。これはこれで有用なのですがやはり甘いだけの砂糖菓子のようでやがて飽きます。

極論ですが写真というのはあまり「視覚のサーカス」的な画面構成で撮られると賞味期間が長くないように思います。
いわゆる「標準レンズ」というのはだから、人間が見て違和感とかを感じずに済む最大公約数の画角なんでしょうね。

撮りたい被写体を見つけ、標準域で撮ろうと思ったら、次はフレーミングです。

前ふりが長くなりましたが、ここで有用なアイテムが「三脚」です。

 三脚は写真をやる上に置いてかなり重要なアイテムなのですが、どうも軽んじられがちです。
三脚を使用する場面というのはローライトという固定観念があるでしょう。しかし昨今のデジタル一眼レフの高感度特性はすばらしく、「もう三脚はいらない」という考えの方もいます。実際、混雑するテーマパークなどでは三脚禁止のところが結構ありますね。

 無論、混雑しているところで何が何でも三脚を使えと言っているのではありません。ここで議論するのは風景写真、もっといえば他人やそこの環境に迷惑がかからない場所(私の場合、人のいないところに好んでいくので大体このシチュエーション)での話になります。

 そのほか、三脚を使用する場面としては長時間露光をしたい場合がありますね。しかし長時間露光を使用するシーンはかなりマニアックです。天体撮影とかNDフィルター使用の場合などですね。

 じゃあこれ以外に三脚はいらないの?という話になりますが実は、三脚は結構、頻繁に使うとスキルアップに寄与するのです。

 まずフレーミングをきちんとするということはファインダーや背面液晶をじっくり見る、という作業ですがこれはカメラを手持ちで行うとまず集中力がそがれます。どんなに小さなカメラでも肉体でそれを支えるということに意識をそがれるからです。その点、三脚にじっくり据えて雲台を細かく調整することでどんどんフレーミングを追い込んでいくことに集中できるというわけです。

 また、廉価版のキットレンズなどは開放値が暗いというハンデがありますがこれも三脚で解消されます。無論、花の撮影などで背景をぼかすなどの欲求があれば、そして「ボケ味」にこだわるのであればレンズに投資するのもいいでしょうが、高性能レンズを使用しても前述の理由でフレーミングを追い込むときには三脚の便利さは揺るがないのです。

 こだわる人は三脚は重ければ重いほどよい、と言いますが個人的には荷物を軽量化したいので徒歩でのアプローチならカーボンに自由雲台の三脚がベストだと思います。しかし車でアプローチできる場所であれば重めの、パン棒がついた雲台を使っています。

 プロの方は数台持っていますがまさに三脚とは、カメラバッグと同じく「オールマイティなものはない」のでこのようなことになるのでしょう。
三脚考_c0162846_6405824.jpg

by hohoho-bw | 2010-06-19 07:04