的外れなプレゼント
昔々、そうさな~もう13年前。
激しくファッションヘルスに通っていたころのお話。
その当時夢中になっていた女の子はおしりが大きな、ショートカットの似合う子だった。
人気店に勤務しているが故の相互監視に耐えられなかったとかで、俺にメールをくれて店の外で飲んだりした。
ブーツカットのデニムの下はノーパンで、カッコよい趣味だった。ミッシェルガンを教えてくれたのも彼女。ウォーターベッドはセックスに向かないということを教えてくれたのも彼女だった。バイクの免許がほしくて、乗るなら当時人気の国際アメリカン・ヤマハのドラッグスターがいい、といってたっけ?
女の子には珍しく、家にはロバート・ジョンスンのレコードもあった。
道南のある町を出て、自由に生きていた彼女は、ある日、店を跳んで、横浜のヘルスで勤めていた。
飛行機で遊びに行き、中華街で食事をし、彼女の部屋に泊まった。
セックスは、かたくなに拒否された。
その意味がわからない子供な自分は、そのご彼女に電話してもずらされるようになった。
音楽の趣味がカッコ良い彼女に、俺はキャロル・キングの「タペストリー」をプレゼントした。俺の中ではこのアルバムはパティ・スミスの「horses」と同じくらい、ミニマリズムのパンクと位置づけしており、ブレイク直前のミッシェルを教えてくれた彼女も喜んでくれていると思ったのだけれど、、、
今ならもっとうまくやれるのかな?
でも、もう昔のように、盲目のまま飛ぶ気力は、消えうせている。