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誰のためでもなく

リコー GR DEEP WORLD

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 GRのムック本「リコー GR DEEP WORLD」を買った。

 GR本は三冊目。これは日本カメラ社から出版されているもの。

 表紙も、内容も、今までのGRムック本の中で一番とんがっている気がする。

 なにより写真が多い。作例じゃない写真が。

 森山大道の写真が巻頭。これかっこよかった。すべてプログラムAE,ISOオートってのが潔い。森山大道の最後のページ、川のほとりで座っている女性の後ろ姿の写真、遠くまで解像していてすごい、なんて頓珍漢な感想をもった。

 しかし何と言ってもこの本で一番興奮したのは、金村修の写真が載っていたこと。

 ってか、そもそも金村修にGR使わせたってのがすごい。やはりこの辺、日本カメラという雑誌に連載を持っていた関係性が出ている気がするが、それにしてもいい。

 GRに対するコメントも金村らしいもので読んでいてカッコいいな、と素直に思ったし、まさにGRというカメラの存在価値を端的に言い表していると思う。

 『GRで撮り始めると止まらない。1日1000カットは撮ってしまう。目の真にのものすべて撮りまくって、撮っている自分の作家性とか自我が解体されてどんどん自動的な気分になる。写真の無名性~』

 これって森山大道が言っていることとおんなじだよね。たかが写真をアートということに対する疑問。目の前にあるものすべては等価であり、カメラはそれを複製する機械に過ぎない。

 そうそう、自分もいい写真を撮らなきゃ、とかどこかに行って写真を撮りたい、などの意味のないプレッシャーを感じるとGRだけもって近所をふらついて適当にシャッターを切ることでそれを解消することと関係ありだとうなづいたわけで。

 写真、ってことを考えさせてくれる哲学的なデジタルカメラってゆ~稀有な存在だね、GRって。
by hohoho-bw | 2013-11-10 22:56 | D7100